ちゃりんこダビデ

 「ちゃりんこダビデ」は、その後、ちょこちょこ修正はしたが、約10年前(2000年頃)にだいたい原型を書いた。完成をみているぼくのものの中では一番長い作品です。
 初め、とにかく「聖書」を書きたい、それも“笑える聖書”を書きたいみたいなことを思って書き始め、そのうち、昭和61年に和歌山毛見の浜で起きた「真理(みち)の友、集団焼身自殺事件」に興味を覚え(真理の友教団は一応キリスト教をベースとしていた)、現場も見に行き、文献も色々調べて、これをシリアスではなく、換骨奪胎して、フィクションとして何か聖書に引き寄せられないかと考えた。
 友達の競輪選手で、かつてアマチュア時代に五輪出場し、いまはどちらかというとボディビルの方に情熱を燃やしている大変興味深い男がいて、これもフィクションとして借りようと思った。学生時代、初めて見たアングラ演劇が唐十郎・状況劇場の「オチョコの傘持つメリーポピンズ」というものだったが、この芝居の感動が忘れられず、設定を少し借りようなどと、色々色々合成して出来上がったものです。
 2005年に講談師・太平洋らと「ストライクマン」という芝居を乗峯作・演出でやったけど、その台本も、この「ちゃりんこダビデ」の一部から取った。

2011年 乗峯栄一


第1章

第2章

第3章

第4章

第5章

第6章

第7章

第8章

第9章

第10章

最終章

Copyright (c) 2011 乗峯栄一 All rights reserved.
inserted by FC2 system